卒論の講評

19151010
伊藤絢子
消費に対する消極性を引き起こす要因についての研究

近年、断捨離やミニマリストといった言葉が取り上げられ、物を持たない、消費しない概念が出現してきた。消費を肯定的に捉える消費社会の中でなぜ物を持たないことや消費しないことに価値を置く考えが出現したのか、そしてどのような要因が消極的な消費行動を良しとする価値観に影響を与えているのか。先行研究をもとに環境問題に対しての意識が高い「エコ志向」、情報伝達技術の発展によって実現した情報化を肯定的に見る「情報化」、日本の伝統的な文化を肯定的に見る「日本志向」、人と人のつながりを重視する「きずな志向」、そして「他者の視線を気にしない性格」の5つの要素うちどの要素が最も強く消費に対する消極性に影響を与えるのか、質問紙による調査を行った。分析の結果、「きずな志向が高い人ほど消費への消極性が高い」、「情報化に肯定的な人ほど消費への消極性が低い」、「平均月収が高い人ほど消費への消極性が高い」ことが明らかになった。

3回生の秋学期から丁寧な先行文献の読解にもとづき、環境問題・情報化社会・伝統文化・社会関係・自律性といった価値と消費性向との関連性を実証的に捉えることができました。

19151015
鐘島千晶
男性の家事・育児参加の抑制要因

近年「イクメン」という育児を楽しむ男性像が広く認識されている。女性に限らず全ての労働者に育児休暇取得が可能な状況下で、男性の取得率は2017年度で5.14%(総務省2018)と女性の同年の取得率83.2%に対して低く留まっている。本研究ではこの現状と男性の家事労働参加への国や職場の応援の姿勢と受け取れる体制との間にずれがあることに疑問を抱き、参加が抑制される原因は男性だけにあるのではないのかもしれないという考えのもと、女性が持つ男性の家事・育児参加の抑制要因について検討した。妻の家庭責任意識、妻の世帯収入貢献比率、妻の愛による再生産役割因子、妻のゲートキーピング説の4つを抑制要因と仮説立て分析を行った。そして、妻の世帯収入貢献比率と妻の愛による再生産役割因子が抑制要因、妻のゲートキーピング説においては部分的に抑制要因と言えるという結果が得られた。妻の家庭責任意識については、夫の家事・育児参加に対して抑制の働きかけは見られず、反対に促進される効果を持っていた。

ワークライフバランスに関する後藤泰葉の2016年度卒論で用いた尼崎市男女共同参画課による社会調査データをもとに、男性の家事・育児参加の抑制要因を妻側の変数から解明しようとした実証研究です。

19151089
王裕茘
大学生の過程健康度が将来、家事分担の指向性に与える影響

日本において「男は仕事、女は家庭Jという固定的性別役割分業意識に賛成する人数は減少している。しかし依然として日本の女性は社会進出どころか、家庭生活に満足する人は世界各国の中で低い水準である。NHK国民生活時間調査によると日本の家事をする時間は世界中では男女差が最も大きい国の一つである。では、日本において、こうした法律や人々の意識が実際の働き方や生き方に反映されない要因はこれまで多くの先行研究が行われてきたが、さらなる検討が必要とされている。また、既存の研究において、既婚夫婦に対する家事分担の研究が数多くされているが、現在の米婚者に対する研究が少ない。
そこで本研究では、家族システムが、家事分担に与える影響について検討する。具体的には、オルソンの家族円環モデルに基づき作成したFACESSKG・l6(version4)を用いて、きずな・かじとりの両次元が、将来の理想的な家事分担及び、将来の現実的な家事分担に与える影響を検討する。分析には、3大学で行った質問紙調査のデータ(N=l19)を用いる。分析の結果、円環モデルではきずな・かじとりの両次元とも中庸であれば将来の家事分担志向性が高いということが得られた。” 3回生の秋学期から丁寧な文献調査を行い、リサーチ・クエスチョンを形成する手順を踏む計画でしたが、沢山の文献から自分なりのリサーチ・クエスチョンを導き出すまでに大変苦労した研究です。しかしながら、実証的な調査結果からは、円環モデルが予測する家族関係と固定性役割意識とのカーブリニア関係を見事に浮かびあがらせることに成功しています。

19151083
吉田拓弘
笑いの理論の証明と追究

笑いはコミュニケーションの上で大きな役割を果たすほどの社会的価値を備えている.人を楽しませる,愉快にさせる笑いが生まれる要因と特徴に興味を持った.先行研究ではユーモアの定義を明らかにしたあと,これまでに笑いの発生要因に関して唱えられてきた3つの代表的な理論を用いた.しかしこれらの理論が現代にどれだけ通用するものか,さらなる特徴の有無は未だあいまいである.20代の大学生を対象に,周囲の人が何を面白いと思っているのか,そしてその仕組みを聞き出すためのインタビュー調査を行なった.そのインタビュー内容を文字に起こしたものを分類すると,3つの理論は未だに通用するが,理論が生まれた当時とは形態が変わっていたこと,笑う人の受けてきた地域文化の影響と関係があることがわかった.笑いはどのような変化を遂げて来たのか,現代に通用する笑いのメカニズムの正体を明らかにした。

吉田君の研究は、笑いに関する基礎理論を3回生の秋学期から丹念に読み始めることから始まりました。ところが4回生の春学期になって、これまでのテーマとはまったく違うことをやりたい、と相談をうけたのでとても心配しました。McGuire先生による丁寧で根気の良い指導もあり、路線修正を経て実証的に大変面白い成果をあげることができました。

19151084
吉川実貴子
若者の音楽行動と社会的心理の関連

現代の日本は各々が自由に物事を選択でき、自分の好きな音楽を「携帯」し、自分だけで気軽にいつでも楽しむことができる社会、いわば音楽により人々が分断された「音楽個人化社会」である。しかし、そんな社会とは裏腹に近年、若者の間でより原始的な音楽行動であるフェスが興隆しているのだ。ぴあ総合研究所の試算によると、フェスの動員数は統計をはじめた二〇〇〇年には三六万人だったものが二〇一六年には二三四万人にもなっている。ちろん、過去にもフェスやコンサートは開催されてきたが、「フェス」という言葉が浸透してきたのは近年のことであり、二〇〇〇年から十六年間で約二百万人もフェスの動員数が増えているということは、現在の社会において「フェス」は音楽以外に、なんらかの社会的意味を持つのではないだろうか。各々が自由に音楽を楽しめるデジタル時代に、今なぜ今人々が集まる原始的なフェスの存在が大きくなってきているのか。若者の心理的背景との関連はあるのだろうか。これらを本研究で分析していく。

吉川さんは、4回生になったとたんから、なかなか卒論の相談にくることがなく、大変に心配しました。ところが、4回生秋学期の半ばすぎの最初のゼミ発表で、これまでの遅れを挽回して、しっかりとしたリサーチ・デザインとクエスチョンを提示しました。ソーシャルメディアを駆使した社会調査により驚くほどの早さでデータも集め、「フェス」と「クラブ」、「コンサート」志向の心理的嗜好空間をとらえることに成功しています。

19151018
河合冬穂
スクールカーストと制服の着こなしの関連

近年,「スクールカースト」という言葉が浸透して久しい.しかし,生徒の生活におけるスクールカーストの実際の存在感と比較して,その研究は十分であるとは言えないのが現状である.本研究では,スクールカーストと深い関連があると考えられる「制服の着こなし」とスクールカーストの関連を,社会学的な理論を用いて明らかにすることである.これによってこれまで理論的な研究が十分されてこなかったスクールカースト研究を一歩進めることを目指す.調査として現在大学生である男女8人への半構造化インタビューを実施し,高校生時代の生活について話を聞き,そのインタビューデータからスクールカーストと制服の着こなしについての分析を行った.分析にはGoffmanの演劇論的アプローチを用いた.分析の結果,スクールカーストは,「脱学校(的)文化」への適応度と対応した序列であること,そのなかで,生徒は自分の「脱学校(的)文化」への適応度を表す制服の着こなしによって,役割演技と印象操作を行っていることが明らかになった。

河合さんは、3回生の秋学期からGoffmanのPresentation of Self in Everyday Lifeの読み込みに挑戦しました。この枠組みをもとにしたインタビュー調査から、制服の着こなしから判断されるスクールカーストが決して静的な構造にあるのではなく、社会状況の変化に応じて動的に(再)構築されうることを教えてくれました。McGuire先生による質的データの実証的な研究指導が実を結んだ成果です。

19151066
坪内裕貴
同志社大学男子大学生で考える交際関係に入れない要因

本稿では恋人がいない男子大学生に焦点を当て,その中でも恋人が欲しいと思うが行動に移せない学生が持つ行動を起こさない要因について調査を行ったものである.現在日本では恋愛に対して消極的である若者が増加しており,内閣府の調査で以前よりも恋愛に対する意欲が弱まっていると考えられるデータも存在している.そのような恋愛に消極的な若者に注目した調査は恋愛を不要であると考えている層に対して行われたものが多く,恋愛をしたいと思っている層にたいして行われた調査は少ない.そこで恋愛をしたいにも関わらず行動に起こさない状態にある現在大学生の20歳代男性にインタビューを行い,行動を起こさない要因は何であるのか調査した.この調査から「自信」と「理想の高さ」,「過去の恋愛経験」が要因として関係することが分かった.

坪内さんは、3回生・4回生を通じ、一貫して恋愛を社会学的に研究したい、と希望して立木ゼミを選びました。3回生秋学期からはGiddensを中心とした自己アイデンティティ論を読み込み、その枠組みからインタビュー調査に臨みました。この研究もMcGuire先生による質的データの実証的な研究指導によって着実に成果をあげることができました。

19151025
河野真樹子
家族の変化と親子関係

家族の形は直系制家族から夫婦制家族,合意制家族へと変化してきた.家族の形が多様化してきている現代では,親子関係や親の家庭内での役割も変化してきているのではないかと疑問を持った.その中でも,先行研究から親子関係と子どもの家族観や家庭での親の行動は密接に関係しているということを知った.本論文の目的は,子どもが感じる親からの受容度,家族モデル,道具的役割・表出的役割という 3 つに焦点を当て,親子関係と家庭内での役割の変化を明らかにすることである.そこで大学生を対象に中学 3 年時の家族モデル,高校受験期と高校入学時の親の行動に関する調査票調査を行った.その結果,家族モデルが異なると子供が感じる親からの受容度に違いが生じること,家庭内での親の役割と受容度にも関係があること,親の家庭内での役割が変化してきていることが確認できた.

立木ゼミの1つの伝統である家族モデルの差異と、中学生時代に感じた親からの受容度の関連性を実証的な計量的研究により明らかにしました。伝統的な家族社会学の概念と、最近の家族社会学的研究の枠組みを上手に組み合わせ、しっかりとした家族の社会学を展開しました。

19151035
長尾真衣子
転校経験が人間力に与える影響ー家族システムの視点からー

今日社会でコミュニケーション能力が重要視されており、それを包括する人間力が求められる。自身の経験から転校経験が人間力に影響を与えていると考えた筆者は、ほかに人間力に影響を与えていると考えられる家族システムの視点から、転校経験が与える人間力に関して調査を行った。大学生を対象にした質問紙調査をおこない、結果をすべて数値化しSPSSを用いて分析を行った結果、男女によって転校経験が及ぼす人間力への影響が異なること、転校に対する期待が男女で異なること、転校経験で人間力が高まる家族システムが異なることが明らかになった。そして、仮説通り転校経験は人間力に影響を与えているが、プラスの影響だけではないという発見も生まれた。

思春期・青年期の転校経験がどのような社会関係により影響をうけるのか、あるいはその経験は自分自身の自我の社会的発達にどのような差異を産むのか、すぐれたリサーチ・クエスチョンのもとに設計された調査票を用いて大変興味深い成果をあげることに成功しています。

19151005
藤本慎也
Life Recovery Patterns among Survivors of the Great East Japan Earthquake and Varifications of Disaster Case Management in Natori City: Natori Life Recovery Panel Survey Findings

Many of the public support for the survivors of the Great East Japan Earthquake were implemented on the basis of Disaster Victim Certificate. However, it can miss assistingthe sufferers who demand special relief since it is provided solely based upon degrees of house damage. Disaster Case Management have been developed recently to tackle the problems. Given the advantages of Disaster Case Management, this study aims to examine the validity of the assist method using 2014-2017 Natori Life Recovery Panel Survey data (N=510). The statistical analyses of the data clarified the following two points: 1) The victims who could not feel life recovery during the survey period experienced full house damage, did not have family bonds, lacked social capital as both private and public goods, had physical/mental health problems in both themselves and their families, and could not be better off as compared to pre-earthquake days due to retirement. 2) Those who actually received personal support and those shown in 1) did not congruent with one another, which indicates tailored assistance did not reach the survivors who were excluded social

2014年から17年まで、毎年行われた宮城県名取市生活再建現況パネル調査データを用いて、主観的な生活復興感の推移が5種類にパターン化されること、社会関係資本の量が、復興感低迷型と回復側の差異を生むこと、被災前から脆弱であった層が被災後の復興過程でも取りのこされがちになること、など大変重要な事実を発見しています。McGuire先生の指導によって見事な英語論文に仕上がりました。

篠原夏美
学生の講義中における逸脱行動の発生要因について

大学生活において学生の講義中の態度の悪さが気になった筆者自身の体験をきっかけに,講義中の逸脱行動の発生要因について研究したいと考えた.そこで,本稿ではそれぞれの先行研究で逸脱行動に強く影響しているといえる「規範意識」「社会的スキル」「学生重視の価値観」などの個人特性と,「私語」「居眠り」「うわの空」などの「逸脱行動」との関係性に注目し,仮説をたて,それらを明らかにすることを目的とした.調査には先行研究をもとに作成した「学生生活に関する意識調査」を用いて私立,国公立大学の男女を対象に調査票を配布し,SPSS を用いて相関分析・重回帰分析を行った.その結果,注目していた規範意識の高さは逸脱行動の発生に影響しているとはいえず,「高校時代の逸脱行動」「学生重視の価値観」が高い学生ほど,大学における逸脱行動が多いことが明らかになった.「逸脱行動」項目ごとの結果からは,やや異なる結果が得られた.

私語やいねむり、うわの空といった、大学の講義中の学生の行動を逸脱行動論の枠組みから捉えた実証調査研究です。結論として、高校時代の逸脱行動と「学生=カスタマー」といった価値感が受講態度の逸脱と関係することを明らかにしました。

19151013
角野修平
消費行動からみるハロウィン仮装パレードへの参加

近年,10月31日に仮装をし,町中を歩き,騒ぐというハロウィンイベントが若者の間で爆発的に盛り上がっている。商業戦略として日本に導入されてから20年近い歴史を持つハロウィンが,このわずか数年で急激な大衆化を果たした要因はどこにあるのか。そして若者のどのような意思決定要因がハロウィンへの参加に影響を与えるのか。先行研究をもとに,第三の消費文化である現在の消費の傾向としては,精神的価値を重視することがわかった。そこで,消費行為においての快楽的な意識がハロウィンイベントへの参加に影響を与えると仮説を立て,分析を行ったが,結果から,快楽的な意識はハロウィンイベントへの参加に影響を与えるものではなく,そこでは「好き嫌いだけで自分の参加するイベントの選択はしない」人たちが多く参加しているとわかった。実はここに「新たな機能的な意識」の存在が考えられたのである。筆者は,それを「自己承認を満たす役割的な消費」だと捉えた。そして,ハロウィンイベントへの参加における行動は,他者に期待される自分の姿を調整し,「面子を保つため」ための役割的な行動だと考える。現代の個人化が進む社会の中では,自分らしさを失うことから安定的な自己を保てないという。そのために,他者から絶えず承認を与えてもらうしかほかない状況にあり,このような親密圏の変容の中で,若者は自己の承認欲求を満たすためにハロウィンというイベントに参加し,「装った自分」を表現し合っていると考えられる

角野さんは3回生秋学期から消費社会論の先行文献のまとめをはじめましたが。その成果をリサーチ・クエスチョンの形にまとめるには、4回生の冬にまで時間がかかりましたが、社会調査結果の解釈をおこなう段階で、これまでに読み込んでいた自己論などの概念がハロウィンイベントへの参加を説明する上で役立つことを体験しました。

19151002
荒田留花
若者におけるロック音楽の役割

本稿は、若者におけるロック音楽の役割をテーマに、ロック音楽を学校生活との関連においてまとめた論文である。一般的にロックといえばどのようなイメージを持つだろうか。多くのライブが行われるライブハウスは少し閉鎖的であるし、服装や髪型に対する許容範囲も大きいので、危険で近寄りがたいイメージを持つ人が多いように思う。しかし、近年行われた調査によればロックファンには自尊心の低い人が多いことがわかった。ただし、この調査における相関は低く、さらなる調査が必要である。そこで、インタビュー調査をもとにロックファンに見られる共通性と音楽の受容について分析した。その結果、ロックファンは周囲の視線に敏感で自尊心の低い人が多く、その性格は学校生活における対人関係での疎外の経験に由来することがわかった。また、彼らは音楽によって不満を解消するのみならず、疎外によって生じた落ち込みを軽減させ、主体的に行動するようになっていた。したがって、消極的な彼らにとってロック音楽は、失われた積極性を取り戻すための希望であると言える。

荒田さんは、大変に自律的な研究志向の高い学生です。自分なりの理論枠組みを組み立て、それを他者に説明するということに、とても時間がかかりました。結局、卒論の執筆そのものが、その枠組みを明確化させるプロセスであったのだと、力作を読みながら実感する作品に仕上がりました。

19151092
田村毬絵
発達に障害のある子どもの居場所研究

「サラマンカ宣言」からはじまり,『障害』という言葉の持つ意味に大きなパラダイム転換が起きた.その潮流の中,教育においては「インクルーシブ教育」という概念が登場し,学校現場でも障害の有無にかかわらず,同じ空間でそれぞれのニーズに合わせた教育を行う指針が打ち出された.しかし,日本の既存の学校システムでは,「分離支援体制」が取られていたため,そのシステムと当事者間で大きな齟齬が起きていると,学生ボランティアをきっかけに感じるように至った.本論文では,学校システムとそれを構成する人々,当事者を中心に彼らの相互理解がどのように形成されていくのか,参与観察をもとに分析した.先行研究から,中学生の相互理解(障害理解)の過程を独自のカテゴリーによって分類した.その分類をもとに,対話から合意形成につながる過程や合理的配慮,居場所形成の過程に関する考察を行った.また,単に障害理解が『いい話』に終始ししないよう,今後の課題についても触れた

本年度の立木ゼミ卒論では、McGuire先生との共同開講であったこともあり、質的・量的研究とも大変に充実した成果があがりました。McGuire先生が主として指導した田村毬絵さんの1年間にわたる参与観察データをもとにした研究では、理論面でも新たな居場所形成過程モデルの提案を試みた力作に仕上がりました。