卒論の講評

森岡勇翔
ソーシャルキャピタルの視点から見た地域コミュニティの防犯性ー神戸市自治会・
マンション管理組合調査2007・08年パネルデータの固定効果モデルによる分析ー

森岡さんは、神戸市消防職員を目指して大学4 年間努力してきました。そこで、卒論も、ズバリ「社会
関係資本は、犯罪や放火を抑止できるか?」というストレートコースど真ん中のテーマに設定し、2007年
と2008年の神戸市自治会役員への社会調査データを、郵便番号地区単位での縦断的(パネル)データに変
換し、「2007 年から2008 年にかけての各地区内での社会関係資本の増減が、犯罪認知件数や放火件数の
時間的変動を左右していたのか」を厳密な計量経済学の手法を用いて検証しました。このために3 回生か
ら神戸市データベースをパネルデータ化するための地道な作業とパネルデータ分析のためのSTATA の勉
強を並行して進め、4 回生からは1 年間かけて計量分析を行いました。ガッツのかたまりの作業から消防
の警防活動に直接寄与する実践的な成果が得られました。ールドに向かうなど、積極的に調査、そして実
践を進めました。現場での出来事をログとしてデータ化し、それを卒論としてまとめることで、支援者と
しての視点とはまた違った角度から現場を眺めることができました。