方法

調査背景

 この調査は、アルコール問題を抱える家族で子供時代を過ごしたACOAと、アルコール問題はないが機能不全家族で育ったACODの特徴の比較を目的としている。

 本研究で行った調査は、新阿武山クリニックで行われているACの自助グループのミーティングに基づいて行われている。

 このミーティングはアルコール症の問題を抱えるクライエント(ACOA)を対象に、平成2年6月に「ACの集い」として始まった。はじめて数ヶ月で対象を、アルコール問題だけでなく、機能不全家族の問題を抱えるクライエント(ACOD)に拡げざるお得なくなり、現在ではACOAとACODの両方を対象に行っている。また夜だけでなく昼のグループや女性だけのグループなどがある。

 新阿武山クリニックでの自助グループでは、カウンセラーが司会者をつとめ逐語録をとり、クライエント一人5分から10分の時間設定で、テーマは自由で自分のことを話す。ミーティングは、毎月2回行われ、毎回20名前後のクライエントが参加している。

 また、ミーティングにはルールがある。自分自身のことを他のクライエントを傷つけない範囲で正直に話す、他のクライエントの発言に非難・批判・うわさ話をしない、ミーティングで話されたこと・出来事などは他の人には話さない、飲酒や依存性薬物を服用して参加しない、1回2時間1000円、など初回参加時に誓約書に署名する。

 このミーティングには、同じ問題を抱えるもの同士で集まり、互いに自分の問題や感情を話し、一切の批判なしにそれを聞き合い、受け入れ合う。そのことをとおして、お互いをいやし、助け合うという効果がある。

調査対象

 本研究での調査データは、男女混合グループと女性グループの2つグループにおけるH7年9月からH9年9月までの2年間の逐語録を使用した。

 そのサンプル数は、次のようである(1-1,1-2,1-3)

(表1-1) サンプル数

(全体)

(表1-2) サンプル数

(ACOA)

(表1-3) サンプル数

(ACOD)

男 性

50

男 性

29

男 性

21

女 性

187

女 性

89

女 性

98

性別不明

1

性別不明

1

性別不明

0

合 計

238

合 計

119

合 計

119

 

調査対象の年齢別の詳細は以下のグラフのとおりである(2-1,2-2)

(2-1) 調査対象の年齢別人数(ACOA)

 

(2-2) 調査対象の年齢別人数(ACOD)