目的
本調査は、ストレス社会といわれている現代に生きている人々が、どのような方法でそのストレスを対処し、精神的健康を保とうと日々努力しているかを調べるものである。現代は、生活の糧と身の安全を確保することに関しては、恵まれた時代であるが、それらを確保することを可能にした近代化は、同時に人間をかつて無かったほどの多種多様で複雑なストレッサーにさらすという結果を招いた。もはや、人間が全てのストレッサーから逃れることは、不可能である。従って、ストレッサーに対し、どのように対処(coping)し、ストレス状態をのりきるかという事が、現代を生きる私達にとって重要なのである。
そこで我々は、対処の重要性に着目し、それに関する研究のうちの一つである、Lahad,M. & Cohen,A.(1989)のBASICーPh理論に基づき、個人の対処スタイルをはかる指標を作成する。