結果

 

サンプルの精選

  127名のサンプルが集まったが、全てが信頼できるものではない。そこで次の基準をもとに、明らかに非協力的な回答や完成のない回答を削除した。

(1)1ページ以上にわたって連続して同じ選択肢に回答している場合。

(2)規則性のある回答が1ページ以上続く場合。

(3)未回答項目が4個以上ある場合。

 この結果、127名中7名のサンプルを削除し、120名について分析を行った。

 

項目分析 

 ほとんどの回答者の回答が一方に片寄るようでは尺度として適当でない。そこで、項目の弁別性を確保するため、項目分析を行い、被験者の95%以上が回答のどちらかに偏ってしまう場合、その項目は被験者の特性に対する弁別性に乏しいと判断し、この基準にて希望する項目は削除することにした。すると、これに該当する項目はなかったため、この段階で削除する必要はないと考えた。

 

探索的因子分析

 尺度項目の候補として残った、Belief21項目、Affect12項目、Social15項目、Imagination12項目、Cognition14項目、Physical18項目の計92項目を主成分分析にかけ、有意な因子数を算出した。そして、因子数を固定し、その後バリマックス回転による因子分析を行い、その結果から不安定な項目を削除した。ここでは、(a)項目・尺度間相関値が低い項目、(b)想定していた概念以外のものと解釈される因子から高い負荷を受けた項目、(c)複数の因子から高い負荷(相関値0.3以上)を受けている項目、(d)単独で因子を構成している項目を、構造が不安定な項目として削除した。

 上記の手続きの結果、50項目を削除し、最終的に42項目が残った(表8)。内訳は、Belief8項目、Affect11項目、Social5項目、Imagination4項目、Cognition8項目、Physical6項目である。以下に、削除した項目と、最終的に残った各因子の説明を行う。

 

 削除した項目

(a)項目・尺度間相関値が低い項目

 Cognition(Q68)

(b)想定していた概念以外のものと解釈される因子から高い負荷を受けた項目

 Belief(Q9,Q62,Q72,Q78), Affect(Q17), Social(Q8,Q18,Q42,Q66,Q89), Imagination(Q67), Cognition(Q60), Physical(Q39,Q61) 

(c)複数の因子から高い負荷(相関値0.3以上)を受けている項目

 Belief(Q7,Q22,Q32,Q38,Q40,Q54,Q80), Social(Q3,Q11,Q26,Q74,Q82), Imagination(Q4,Q35,Q51,Q75,Q90),Cognition(Q5,Q28,Q52),Physical(Q6,Q21,Q29,Q37,Q47,Q55,Q69,Q77,Q79,Q85)

(d)単独で因子を構成している項目

 Belief(Q16,Q30), Imagination(Q19,Q83), Cognition(Q76)

 

 各因子の説明

(a)第1因子 

 第1因子では、Affectに関する項目が11項目布置した。そこで、この因子を「Affect」の次元と解釈した。これらの項目は、0.640990.91517の因子負荷量を受けていた。またコミュナリティは、0.4900270.843420の間にあり、共通性が高い。このことから、この因子は安定しているといえる。  

(b)第2因子

 第2因子では、Beliefに関する項目が8項目布置した。そこで、この因子を「Belief」の次元と解釈した。これらの項目は、0.426170.80299の因子負荷量を受けていた。またコミュナリティは、0.2240280.707928の間にあった。ここでは、Q10.224028Q640.342114と、比較的低い値を表した。

(c)第3因子

 第3因子では、Cognitionに関する項目が8項目布置した。そこで、この因子を「Cognition」の次元と解釈した。これらの項目は、0.570380.79349の因子負荷量を受けていた。またコミュナリティは、0.3979100.669251の間にあり、Q910.397910と低い値を表した。

(d)第4因子

 第4因子では、Socialに関する項目が5項目布置した。そこで、この因子を「Social」の次元と解釈した。これらの項目は、0.549420.80676の因子負荷量を受けていた。またコミュナリティは、0.4601810.675439の間にあり、共通性が高い。このことから、この因子は安定しているといえる。

(e)第5因子

 第5因子では、Physicalに関する項目が6項目布置した。そこで、この因子を「Physical」の次元と解釈した。これらの項目は、0.452160.74282の因子負荷量を受けていた。またコミュナリティは、0.2415820.580181の間にあった。ここでは、Q140.241582Q530.306335と、低い値を表した。

(f)第6因子

 第6因子では、Imaginationに関する項目が4項目布置した。そこで、この因子を「Imagination」の次元と解釈した。これらの項目は、0.652450.72032の因子負荷量を受けていた。またコミュナリティは、0.5457940.586058の間にあり、共通性が高い。このことから、この因子は安定しているといえる。

 

   表8 探索的因子分析結果

 

  FACTOR1 FACTOR2 FACTOR3
A41 0.91517 0.03119 -0.05930
A88 0.87484 0.04218 -0.08985
A33 0.83749 0.01630 -0.07228
A25 0.83435 0.06282 -0.02556
A2 0.81148 0.01908 0.07703
A81 0.78644 0.14440 0.02753
A10 0.77882 -0.04756 -0.11224
A49 0.69674 -0.04936 -0.00882
A73 0.68601 -0.01832 0.04688
A65 0.65607 -0.10532 -0.11982
A57 0.64099 0.17631 0.08409
B48 -0.04864 0.80299 0.07356
B46 0.07360 0.79860 0.17334
B70 -0.05863 0.76351 0.08587
B56 0.16576 0.72861 0.11958
B24 0.09373 0.68221 -0.03010
B87 0.09472 0.65070 -0.07740
B64 -0.09380 0.53397 0.06031
B1 0.01200 0.42617 0.08729
C20 -0.02129 0.00522 0.79349
C44 -0.11949 0.08636 0.76759
C86 0.07209 0.00268 0.65999
C84 -0.13113 0.15735 0.65604
C36 -0.04288 -0.19161 0.63801
C13 -0.14331 0.24036 0.62263
C15 0.09279 0.22408 0.61492
C91 0.03310 0.02848 0.57038
S58 0.11956 0.02246 -0.08790
S34 0.24407 0.18343 -0.10725
S50 0.25393 0.03599 -0.07944
S31 0.10053 0.29750 0.03687
S63 0.17095 0.22367 -0.17352
P92 0.06599 -0.04069 -0.04099
P45 -0.00780 0.14789 0.06174
P71 0.06778 0.06134 0.10607
P23 -0.01835 0.25626 -0.00283
P53 0.10483 0.06106 0.07029
P14 0.13863 -0.00857 -0.00209
I12 0.00125 -0.03116 -0.19122
I59 -0.09450 0.01692 -0.08761
I27 0.07689 -0.11129 0.19725
I43 0.18734 0.05098 -0.08901

 

     

 

FACTOR4

FACTOR5

FACTOR6

A41 -0.00030 0.01127 0.03568
A88 0.13625 0.02075 0.00282
A33 0.05205 0.04571 0.12718
A25 0.03115 -0.06123 0.07243
A2 0.02598 0.04261 -0.10100
A81 0.11109 0.00193 0.01811
A10 0.10976 0.07659 0.13615
A49 0.09072 0.07924 -0.07454
A73 0.15252 0.09226 0.05093
A65 0.14875 0.20061 -0.01878
A57 0.17959 0.09299 -0.01025
B48 0.04272 0.08722 0.10679
B46 -0.05472 0.17141 -0.04830
B70 0.12552 0.25342 -0.04432
B56 0.16098 0.09582 -0.14505
B24 0.05391 -0.00642 0.25343
B87 0.17343 -0.07245 0.12332
B64 -0.00640 0.10878 -0.18078
B1 0.14210 -0.07084 -0.09713
C20 -0.00917 0.04689 0.14562
C44 -0.21974 0.09480 0.03247
C86 0.13152 0.05200 -0.09840
C84 -0.11934 -0.08429 -0.22375
C36 0.15102 -0.04306 0.20474
C13 -0.15100 -0.05496 -0.10021
C15 -0.08270 0.14325 -0.02280
C91 -0.14137 0.06551 -0.21540
S58 0.80676 -0.03678 -0.02646
S34 0.71832 0.12270 0.14342
S50 0.63672 0.07994 0.14311
S31 0.61769 0.05762 -0.04707
S63 0.54942 0.19761 0.09954
P92 0.11820 0.74282 0.08208
P45 -0.09414 0.64214 0.00904
P71 0.06845 0.63812 0.01768
P23 0.23263 0.61114 0.18779
P53 -0.09942 0.48885 0.19446
P14 0.13355 0.45216 -0.00049
I12 -0.17054 -0.02387 0.72032
I59 0.03348 0.19605 0.70098
I27 0.22858 0.13896 0.67349
I43 0.22337 0.15682 0.65245

 

Variance explained by each factor

FACTOR1 FACTOR2 FACTOR3 FACTOR4 FACTOR5 FACTOR6
7.083063 4.292047 3.888488 2.882594 2.597289 2.423143

 

Final Communality Estimates: Total = 23.166623

 

Q1 Q24 Q46 Q48 Q56 Q64
0.224028 0.542269 0.707928 0.673400 0.628779 0.342114
           
Q70 Q87 Q2 Q10 Q25 Q33
0.675690 0.488911 0.677487 0.657867 0.710707 0.727852
           
Q41 Q49 Q57 Q65 Q73 Q81
0.843420 0.508031 0.490027 0.518598 0.507506 0.652769
           
Q88 Q31 Q34 Q50 Q58 Q63
0.794198 0.487049 0.656326 0.504375 0.675439 0.460181
           
Q12 Q27 Q43 Q59 Q13 Q15
0.586058 0.582351 0.545794 0.547825 0.501848 0.464824
           
Q20 Q36 Q44 Q84 Q86 Q91
0.653596 0.512188 0.669251 0.543748 0.470477 0.397910
           
Q14 Q23 Q45 Q53 Q71 Q92
0.241582 0.528881 0.447026 0.306335 0.431797 0.580181