W.方法
インタビューの背景
今回の調査は医療ソーシャルワーカーに対する2回の同席インタビュー(MSW1 MSW2)と1回の単独インタビュー(MSW3)の、3回のインタビューという形で行った。同席インタビューについては修士論文を作成する大学院生の行うインタビューについて、データを卒業論文に使用する許可を医療ソーシャルワーカーから得た上で行った。
なお、MSW1は複数の医療ソーシャルワーカーを擁する公立病院、MSW2は単独で業務を行っている公立病院、MSW3は複数の医療ソーシャルワーカーを擁する民間病院に属している。インタビューを実施したのはMSW1は8月26日、MSW2は8月27日、MSW3は12月6日である。
質問項目
インタビューはセミ・オープン形式で行われた。筆者が同席した大学院生のインタビューの質問項目は以下の通りである。
筆者が独自に行ったインタビューも同じセミ・オープン形式で行った。質問項目は以下の通りである。
さらに、インタビューの内容は、記録を確実にするために、被験者の了解を得、テープレコーダーに録音した。
分析方法
面接記録はすべてテープに録音した。そこから逐語録をつくり、コーパスとして用いた。各MSWのコーパスはセンテンスごとにナンバリングされ、さらに数センテンスごとにまとまりのあるもの(トピック)をひとつのログとして、ログごとにナンバリングされた。
次にデータをコード化した。まず1次コードとして、コーパスの主要なセンテンスをキーワード、もしくは簡潔な文章でコード化した。この時にラインマーカーを使用し、主要部位を明確にすることに留意した。2次コードの段階では1次コードで不必要なコードを削除、もしくはコード同士をまとめていく作業を行った。3次コードはさらにまとめられ、一般化されてカードに書き込まれた。そこで4次コードとしてKJ法をもちいて3次コードのカードのグループ分けを行い、カテゴリー化し、キーワードを抽出し、最終的にストレッサーと対処資源を明らかにした。