第5章 考察
共感尺度について
私たちは、共感尺度として「治療関係スケール」11尺度のなかで共感に関係している「セラピストのストランド」の4尺度を使用した。経験不足と練習不足によりこの尺度を選んだのであるが、これらを積み重ねた上で一般に多く使われている
Truax&Carkhuff 「正確な共感を測定するための尺度」を検討してもよかったのであろう。また、使用した尺度を私たちなりに分かりやすい基準を設けて言語化を行うことが少し欠けていたのかもしれない。
ビデオ評定について
お互いこのコースに参加していたことより、自分のクラスの一人一人を、少しでも知っているわけあり、かなり、バイヤスのかかった評価になったことは否めない。その上、コミュニケーションラボによるこのコースの、参加前と、参加後を、それぞれ順番に測定したことにより、そのつもりはなくても、「これは、参加後だからうまくなっているはず」という、予備知識を頭に入れて測ってしまっているかもしれない。だから、セミナー後(
post)が セミナー前(pr-e
)よりも 上がったという結果につながっていることも考えられる。また、ビデオを録画する際、話す内容がセミナー前とセミナー後ということが明らかに分かってしまう内容であった。だから、セミナー前とセミナー後であることがあまり分からないような話す内容をテーマとして設定し、評定の際セミナー前とセミナー後をランダムにならびかえて得点化することで、さらに正確なデータが得られたのではないかと思う。
評価をする際、私たちはひとりひとりの会話を言語化しそれをもとに評価していったこと、そして二人で徹底的に話し合い、その中で身振り・手振り・発言など、細かい点においてまで評価する際に気をつけたことが一致度を高めた結果につながっていった要因である。