共分散分析

次に,われわれの目的である「音楽」という要素の影響度に注目し,結果を明確にするために共分散分析をおこなった(表7-9).

 

表7 分散分析表 他者受容に対する音楽活動、男女差、学年差の影響度

Source(変動因)

Sum of Squares

DF

Mean Square

FValue

Pr>F

音楽活動前の

他者受容(補助変数)

11303.36

1

11303.36

217.38

0.0001

音楽活動の有無(変数)

35.54

1

35.54

0.68

0.4090

男女差(変数)

220.64

1

220.64

4.24

0.0403

学年差(変数)

340.91

2

170.46

3.28

0.0391

音楽活動の有無と男女差の相互作用

24.53

1

24.53

0.47

0.4928

音楽活動の有無と学年差の相互作用

7.57

2

 

3.78

0.07

0.9298

男女差と学年差の相互作用

118.00

2

59.00

1.13

0.3229

音楽活動の有無と男女差と学年差の相互作用

6.19

2

3.10

0.06

0.9422

Error(級内誤差)

15599.32

300

52.00

 

 

Corrected Total(全体)

29522.66

312

 

 

 

 

この結果から,音楽活動の影響度をあらわすF値は0.68(P=.4090)であり有意でなかった.しかし,音楽活動前の他者受容(F=217.38, P=0.0001),男女差(F=4.24, P=0.0403),学年差(F=3.28, P=0.0391)は有意であった。つまり、音楽活動前の他者受容,男女差,学年差は音楽活動後の他者受容に有意な影響を与えていることが分かった.

 

 

表8 分散分析表 自己受容に対する音楽活動、男女差、学年差の影響度

Source(変動因)

Sum of Squares

DF

Mean Square

FValue

Pr>F

音楽活動前の

自己受容(補助変数)

17014.37

1

17014.37

339.61

0.0001

音楽活動の有無(変数)

4.00

1

4.00

0.08

0.7778

男女差(変数)

15.68

1

15.68

0.31

0.5763

学年差(変数)

64.66

2

32.33

0.65

0.5252

音楽活動の有無と男女差の相互作用

64.13

1

64.13

1.28

0.2588

音楽活動の有無と学年差の相互作用

17.41

2

 

8.71

0.17

0.8405

男女差と学年差の相互作用

130.84

2

65.42

1.31

0.2725

音楽活動の有無と男女差と学年差の相互作用

61.10

2

30.55

0.61

0.5441

Error(級内誤差)

15030.10

300

50.10

 

 

Corrected Total(全体)

34588.24

312

 

 

 

 

 この結果から,音楽活動の影響度をあらわすF値は0.08(P=0.7778)であり,有意ではなかった.また,音楽活動前の自己受容のF値が339.61(P=0.0001)と有意だったが, 音楽活動の有無、男女差、学年差は有意な効果が見られなかった.

 

表9 分散分析表 自己受容に対する音楽活動、男女差、学年差、音楽活動前後の他者受容の影響度

Source(変動因)

Sum of Squares

DF

Mean Square

FValue

Pr>F

音楽活動前の

自己受容(補助変数)

10453.76

1

10453.76

287.90

0.0001

音楽活動前の

他者受容(補助変数)

1233.06

1

1233.06

33.96

0.0001

音楽活動後の

他者受容(補助変数)

4208.33

1

4208.33

115.90

0.0001

音楽活動の有無(変数)

1.54

1

1.54

0.04

0.8368

男女差(変数)

166.11

1

166.11

4.57

0.0333

学年差(変数)

0.53

2

0.26

0.01

0.9928

音楽活動の有無と男女差の相互作用

22.86

1

22.86

0.63

0.4281

音楽活動の有無と学年差の相互作用

25.61

2

 

12.80

0.35

0.7031

男女差と学年差の相互作用

84.68

2

42.34

1.17

0.3130

音楽活動の有無と男女差と学年差の相互作用

51.08

2

25.54

0.70

0.4957

Error(級内誤差)

10820.40

298

36.31

 

 

Corrected Total(全体)

34588.24

312

 

 

 

音楽活動後の自己受容に影響を及ぼす要因について精査するために他者受容因子もモデルに含めて検討を行った。この結果から,音楽活動前の自己受容(F=287.9, P=0.0001),音楽活動前の他者受容(F=33.96, P=0.0001),音楽活動後の他者受容(F=115.9, P=0.0001),および男女差(F=4.57, P=0.0333)が有意となった。