結果

 

  1. 平均得点の検証

自己受容、コンピテンスともに春季に比べ、秋季の平均得点は伸びた。しかし比較群に比べて目立った相違は見られなかった(3-13-2参照)

 

 

 

 

表3-1 対象群(4回生)の平均得点と標準偏差

   

有効回答数

平均得点

標準偏差(SD)

自己受容

春季

150

97.17

14.75

 

秋季

79

99.80

15.48

コンピテンス

春季

150

101.98

11.85

 

秋季

79

103.04

10.86

 

表3-2 比較群(3回生)の平均得点と標準偏差

   

有効回答数

平均得点

標準偏差(SD)

自己受容

春季

126

93.81

15.62

 

秋季

115

100.23

14.61

コンピテンス

春季

126

95.91

11.83

 

秋季

115

98.89

11.10

 

 

 

  1. 共分散分析

秋季の自己受容、コンピテンスに対する就職活動の影響を調べるため、それぞれに対して共分散分析を行なった(表4-1、4-2参照)。しかし、有意な効果は示さなかった。

 

表4-1 秋の自己受容度に対する共分共分散分析の結果

変動員(source)

自由度(df)

平方和(ss)

平方平均(ms)

F

Pr > F

就職活動

1

132.53

132.53

0.95

0.33

補助変数(春の自己受容度)

1

15668.24

15668.24

112.46

*

誤差

162

22570.73

139.3254938

全体

164

38283.61

233.4366463

*P<.0001

表4-2 秋のコンピテンスに対する共分散分析の結果

変動員(source)

自由度(df)

平方和(ss)

平方平均(ms)

F

Pr > F

就職活動

1

15.06

15.06

0.21

0.65

補助変数(春のコンピテンス)

1

8518.85

8518.85

117.35

*

誤差

162

11760.33

72.59462963

全体

164

20815.18

126.9218293

*P<.0001

 

 

(3)分散分析

@春季、秋季のそれぞれの自己受容、コンピテンスに対する分散分析を行なった。(表5-1、5-2、5-3、5-4参照)その結果、コンピテンスにおいて、春季、秋季ともに学年のF値が有意となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

表5-1 春の自己受容に対する分散分析の結果

変動員(source)

自由度(df)

平方和(ss)

平方平均(ms)

F

Pr > F

学年

1

771.78

771.78

3.36

0.07

誤差

274

11664.08

42.56963504

全体

275

21859.58

79.48938182

表5-2 春のコンピテンスに対する分散分析の結果

変動員(source)

自由度(df)

平方和(ss)

平方平均(ms)

F

Pr > F

学年

1

2520.83

2520.83

17.99

0.0001

誤差

274

38394.98

140.1276642

全体

275

40915.81

148.7847636

表5-3 秋の自己受容に対する分散分析の結果

変動員(source)

自由度(df)

平方和(ss)

平方平均(ms)

F

Pr > F

学年

1

8.6

8.6

0.04

0.84

誤差

192

11664.08

60.75041667

全体

193

43045.48

223.0335751

表5-4 秋のコンピテンスに対する分散分析の結果

変動員(source)

自由度(df)

平方和(ss)

平方平均(ms)

F

Pr > F

学年

1

806.92

806.92

6.67

0.01

誤差

192

23226.43

120.9709896

全体

193

24033.34

124.5250777

 

 

A4回生の春季の自己受容、コンピテンスに対して、3回生秋季との間で、学年を変数として共分散分析をした結果、コンピテンスに有意さが生じた(表6-1、6-2参照)

 

表6-1 4回生春の自己受容に対する分散分析

変動員(source)

自由度(df)

平方和(ss)

平方平均(ms)

F

Pr > F

学年

1

78.43

78.43

0.36

0.5

誤差

248

53934.22

217.4766935

全体

249

54012.66

216.9183133

表6-2 4回生春のコンピテンスに対する分散分析

変動員(source)

自由度(df)

平方和(ss)

平方平均(ms)

F

Pr > F

学年

1

893.98

893.98

6.43

0.018

誤差

248

36763.09

148.2382661

全体

249

37716.7

151.4726908

 平均得点の検証、共分散分析と分散分析から分かったことは以下の通りである。

 自己受容

対象群(4回生)の春季から秋季にかけて平均得点の伸びは見られる。しかし比較群(3回生)に比べて目立った相違はなく、むしろ比較群の伸び方が大きかった。共分散分析の結果、対象群の秋季の自己受容に対して、就職活動は有意な効果を示さなかった。分散分析の結果、学年(対象群と比較群)の違いは春季、秋季それぞれの自己受容に対して有意な影響があるとは示さなかった。

コンピテンス

対象群(4回生)の春季から秋季にかけて平均得点の伸びは見られる。しかし比較群(3回生)に比べて目立った相違はなかった。共分散分析の結果、対象群の秋季のコンピテンスに対して、就職活動は有意な効果を示さなかった。分散分析の結果、学年(対象群と比較群)の違いは春季、秋季それぞれのコンピテンスに対して有意な影響が見られた。対象群の春季に対して、3回生秋季との間で、学年を変数として共分散分析をした結果有意さが生じた(2参照)