<<<<<<<<<<<<<<雑誌掲載論文用カード情報>>>>>>>>>>>>>> 著者名:立木茂雄 論文名:登校ストレスと家族関係−共分散構造分析による因果モデルの検証− 雑誌名:家族心理学年報 巻12 家族における愛と親密 ページ:50〜65 年:1994 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約>>>>>>>>>>>>>>>>> 登校拒否・不登校問題は、1950年代末から60年代末にかけて第1期のブーム、現在は 第2期のブームの最中である。第1期のブームで一般化した用語が登校拒否であり、「学校 に行きたいけれども、行けない」という登校強迫感や葛藤を有する神経症タイプの児童・生 徒を指す。それに対し、第2期ブームで使用され始めたのが不登校であり、「学校に行けな い」だけでなく、「単に、あるいは、積極的に、学校に行かない」というニュアンスまでも 含む用語である。本論文では、登校拒否・不登校問題に対して、エコロジカルな視点に基づ き、登校ストレスの発生機序を探るべく、中学生約1000名を対象に質問紙調査を行った。 その結果、データとの適合性が最も高いのは、「登校ストレスの生成機序を、いわゆる神経 症(校内友人緊張)型と社会的未熟(課業緊張)型に二分し、かつ原因(ストレス)と結果 (登校回避)との間に再帰的循環を想定するモデル」(53)であった。これにより「少な くともタイプの異なる2種類の登校ストレスの存在を、実証的に支持する」(60)ことが できた。また家族資源性(きずな・かじとり)の関連では、このモデルでは、「家族におけ るきずなが高まると登校ストレスが低減されるリニアな関係性を示す一方、家族における力 や正義の感覚(かじとり)では、登校ストレスのタイプによって、まったくその関係の正負 が逆転することが示された。」(53)すなわち、「神経症型の登校ストレスではかじとり を高めることが、社会的未熟型ではかじとりを下げることがストレスを低減する」(62) という結果がえられた。 <<<<<<<<<<<<<<要約者担当者名・要約日>>>>>>>>>>>>>>> 中嶋靖子 1998.8.10