<<<<<<<<<<<<<<雑誌掲載論文用カード情報>>>>>>>>>>>>>> 著者名:茨木俊夫 論文名:自験例による登校拒否症状の経年比較と複合事例に対する治療パラダイム 雑誌名:行動療法研究 11巻 ページ:91〜95    年:1986 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約>>>>>>>>>>>>>>>>> 1969年から1974年までの行動療法の導入期(以下T期)と1979年から198 4年までの技法多様化の時代(以下U期)で、登校拒否児童・生徒に対する行動療法適用 の実態を比較し、登校拒否の指導上の課題についての考察を試みる。主として用いた治療 パラダイムを系統的脱感作療法、系統的脱感作療法とその他の方法の混合、段階的接近法、 その他の方法の4通りに、登校拒否の状態像をneurotic(神経症的傾向のあるもの)、 borderline(思春期境界例的なもの)、psychotic(精神病的傾向のあるもの)、 others(そ の他、知恵遅れや非行を伴うもの)に4分類し、T期とU期とで変化をみた。その結果、 「登校拒否の状態像が neuroticなものから複合的なもの(others)へと変化しているこ と、及び、それに伴って治療パラダイムも系統的脱感作療法を中心としたものから「その 他」のものへと変化している」(92)ことが分かった。系統的脱感作療法を中心とする 登校拒否パラダイムとは、神経症的行動モデル(あるいは回避行動モデル)として登校拒 否を把握することが特徴である。T期では、このパラダイムが登校拒否の指導にどの程度 効果を発揮するかみるために、意図的にこの療法が使われた点もある。U期では、T期よ りも症例の環境に刺激コントロールの困難な状況(家族の不和、学校内の指導上の不統一) が増えた。よって、U期では、従来の回避行動モデルだけでなく多元的な行動形成のモデ ルを考えていく必要がある。 <<<<<<<<<<<<<<要約者担当者名・要約日>>>>>>>>>>>>>>> 中嶋靖子1998.8.17