<<<<<<<<<<<<<<雑誌掲載論文用カード情報>>>>>>>>>>>>>> 著者名:茨木 俊夫 論文名:登校拒否を理解する 雑誌名:児童心理 巻 48 号 8 ページ: 1 〜 7   年:1994 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約>>>>>>>>>>>>>>>>> *引用は「」でくくり、その後にページ数を明記  学校恐怖症と語られた時代には病院内学級、登校拒否という言葉が登場した時代は家族 療法、最近の不登校にはフリースクールという具合に、支援策は次々に工夫されてきてい る。しかし、依然として鰻登りになっている現状を考えると、本当にこの問題を理解して きたのかどうか、改めて問い直すことが必要になっている。  登校拒否を理解することの大事な点は支援的な意味ももちろんだが、現状の学級教育を 未来から見直す契機を与えてくれるところも重要だと思われる。  近年注目されている理解の方法にシステム論がある。これと関わって「関係」という現 象の捉え方が脚光を浴びている。関係論からみると、「登校拒否は児童の引き起こす不適 応である」というのはナンセンスである。子供の側だけが不適応を起こすことはあり得な いのであって、親子、指定、友人関係などに問題があり、解決にあたっては、まず、その ことに気づくことから出発する姿勢があるという意味である。  多くの登校拒否児童が関係性に絶望している。社会一般の関係の中で自発的に何かをし ても、関係の中で理解されていないという不全生に陥っている。相手を理解するには、相 手だけを帰ることではすまされない側面がある。  登校拒否の生徒を持つ親が問題を本当に理解したとき、自ずから支援行動が親の側から 行われていることがよくある。相手をコントロールすることは、又、相手によってコント ロールされることをかみしめておく必要があろう。