<<<<<<<<<<<<<<雑誌掲載論文用カード情報>>>>>>>>>>>>>> 著者名:笠原嘉 論文名:登校拒否症を巡って 雑誌名:児童青年精神医学とその近接領域 30巻 3号 ページ:242〜251    年:1989 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約>>>>>>>>>>>>>>>>> 学業成績が中程度の、多少とも強迫傾向をもった「よい子」が、大した理由なしに学校場 面から退却し続ける。登校を促さない限り、何らかの不安・葛藤を体験しない。不登校と いう事実を無視するかのようにケロリとしている。さらに退行すると攻撃的・自閉的とな る。後に、エリート大学生中に見出された無気力反応(いわゆるスチューデント・アパシ ー)も、大企業のサラリーマンの間に散見されはじめた欠勤多発者も、根本は同じである。 著者はこれらを一括して「退却(神経)症」という名を与えている。自分から助けを求め てこない傾向が強く、ともすれば無視される運命にある神経症である。その特徴を以下に 挙げる。1.無気力・無感動・無快楽を主症状とする。2.神経症性不安は本業的生活部 分(学校とか職場)から物理的に退却しておれば、完全に回避できる。しかも退却してい るという事実に無関心で、深刻に悩まない。換言すれば、無気力と退却と無関心によって 周囲の期待を裏切るという「陰性の行動化」である。3.発症前はむしろ適応のよい、マ イルドな強迫傾向をもった内向者であることが多い。自愛傾向を否定できない。4.その 発生には一定の社会文化的背景が必要である。 <<<<<<<<<<<<<<要約者担当者名・要約日>>>>>>>>>>>>>>> 中嶋靖子1998.8.24