<<<<<<<<<<<<<<雑誌掲載論文用カード情報>>>>>>>>>>>>>> 著者名:松本英夫 論文名:中学生の登校拒否児童の発達過程による類型化の試み −第1反抗期を中心にして− 雑誌名:児童青年精神医学とその近接領域 27巻 2号 ページ:97〜109    年:1986 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約>>>>>>>>>>>>>>>>> 登校拒否という概念は、Broadwin,I.T.(1932)によって初めて記載され、 Johnson,M.A.(1941)が怠学truancyと区別し、神経症的な心理機制から生じるものとして、 学校恐怖症school phobiaと命名したことに始まる。ここでは、中学生発症の44名の登 校拒否児を対象に、第1反抗期の有無とその後の学校場面への適応状況から類型化を試み た。その結果、次の3類型に分類できるとした。TypeT 第一反抗期が認められ、その後 も適応していたもの。適応形式に関して、安定した適応か不安定な適応かでさら2つの subtypeに分けられる。発症は2年生に多く、大部分は対人関係の問題かあるいは身体症 状を前景に呈して発症していた。他のTypeに比べて家庭内暴力を伴う症例が多い。Type U 第1反抗期は認められないもののその後は適応していたもの。何らかの外的な要因に より支えられて適応していた症例が多い。発症は1年生に多いが2年生でも認められた。 TypeV第1反抗期が認められずその後の適応も一貫して悪いもの。1年生早々に発症し、 不登校の理由としては学校場面の問題が多い。受信時精神分裂病を疑わせるような症例が 含まれていた。さて、この3類型を比較すると、 自我の発達段階としては、 TypeT・U・ Vの順に低い段階となり、各Type ごとにほぼ一致する発達課題の障害が認められた。ま た、6ヶ月後の再登校率は順に低くなっていた。 全体を通して、第1反抗期の有無が、 患児の適応、発症様式、治療法、予後などを規定する重要な指標となることが示された。 <<<<<<<<<<<<<<要約者担当者名・要約日>>>>>>>>>>>>>>> 中嶋靖子1998.8.18