<<<<<<<<<<<<<<雑誌掲載論文用カード情報>>>>>>>>>>>>>> 著者名:清水将之 論文名:日本における不登校と学校教育 雑誌名:児童青年精神医学とその近接領域 第30巻 3号 ページ:232〜238    年:1989 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約>>>>>>>>>>>>>>>>> 日本では、1960年あたりから関心が集まっている不登校だか、その成因に関しては、 さまざまな要因が多元的に伏在しているというのがほぼ定説となっている。人口の密集・ 増加が影響を与えているという説もあるが、著者はその他に考えられる要因として、子ど もは学校に行かせなくてはいけないという親の義務感、生徒数や教師の数などにより個人 的に関わりをもてない教育システム、そして学歴重視の風潮をあげる。そして、登校をつ づけながらも登校回避感情をもつ「潜在的登校拒否(latent school refusal)」(235) の存在を指摘し、現に症状のでている子どもだけでなく、彼らにも注目すべきであるとい う。日本は戦後、経済の発展に国民の力が注がれ、いい大学にいけばいい仕事を得られる という認識を持つにいたった。そのため中学・高校はよりいい大学に入るための機関とな り、テストで高得点をとるための勉強をし、友達はライバルであるという、子どもにはス トレスのかかる場所となってしまった。このことが登校拒否の要因の一端であることは想 像に難くない。これから登校拒否に関わっていく際には、心理療法だけでなく、家族療法 という視点を持つことが必要である。また、大学間の差をなくし、現実の能力を評価する 社会の実現に取り組むことも、これからの課題である。 <<<<<<<<<<<<<<要約者担当者名・要約日>>>>>>>>>>>>>>> 中嶋靖子1998.8.17