<<<<<<<<<<<<<<雑誌掲載論文用カード情報>>>>>>>>>>>>>> 著者名:桜井 茂男 論文名:社会的不適応にかんする原因帰属モデルの検討 雑誌名:日本心理学会第55回大会発表論文集 ページ:444    年:1991 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約>>>>>>>>>>>>>>>>> 目的:桜井(1989)の報告によると、Seligmanら(1979)において提案された、抑うつ  をもたらす原因帰属様式において重要とされる負の抑うつ的帰属が我が国においてはほ  とんど見られない。そこで本研究においては信頼性の高い領域別原因帰属様式尺度を作  成し、それを用いて改訂LHモデルの因果性の検討を行う。 方法:被験者…国立大学の大学生319名    質問紙…原因帰属様式尺度については、領域(学業達成、友人関係)×事象(成     功、失敗)の20場面毎に主たる原因が訊ねられ、その原因の原因帰属を6段階     評定で質問した。また、その他に抑うつ尺度(Zung、1965)、孤独感尺度(Russell     ら、1980)、絶望感尺度(Beckら、1974)、シャイネス尺度(Jonesら、1982)の     日本語版が用いられた。いずれも4段階評価である。    手続き…上記の質問紙をほぼ3ヶ月間隔で2回実施した。2回目は1回目の被験者     のうち93名のみに実施した。 結果と考察:原因帰属様式尺度は再検査法によると高い信頼性を得ることができた。1回  目のデータを重回帰分析したところ、抑うつは全ての原因帰属様式下位尺度で予測可能  であるが、その他は友人場面の原因帰属様式でのみ予測可能である。2回目のデータに  ついて因子分析を行ったところ、絶望感を除く3つの不適応得点は友人場面の失敗事態  で予測可能あるいはその傾向が見られた。以上の結果より、改訂LHモデルは社会的  不適応を対象とした場合、友人関係の失敗事態得点によってほぼ予測可能と言える。た  だし、抑うつについては従来どおりに予測可能であることが示された。 <<<<<<<<<<<<<<要約者担当者名・要約日>>>>>>>>>>>>>>> 1999.2.10 熊田 圭子