<<<<<<<<<<<<<<<書籍掲載論文用カード情報>>>>>>>>>>>>> 著者名:金子光一 論文(章のタイトル)名:第3部 各国の社会文化と福祉             4.イギリス〜スティグマ克服への途  書籍名:21世紀福祉学 書籍編著者(もしくは共著者)名:一番ヶ瀬康子 出版社名:有斐閣 年:1995年 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約・要約日>>>>>>>>>>>>>  イギリスにおいて、1597年の「エリザベス救貧法」から始まる救貧制度の下では、 労働能力を持ちながら浮浪化する者に対して処罰が課せられ、1834年に改正された「新 救民法」では、劣等処遇の原則を打ち出した。こうして(貧困=罪悪)の意識を国民に与 え、救済抑制としてスティグマを伴う政策が行われた。その後、1942年の「ベヴァリ ッジ報告」でスティグマの解決に向けて選別的な資力調査ではなく、「福祉への権利」と いう普遍的な政策が示された。しかし、選別主義を支持する保守党がサービスの効率性を 強調したために、資力調査を伴う政策が展開され、現在は「対象を限定したサービス」を 中心とした社会福祉政策が行われている。このような過程を経て救貧制度と共に「スティ グマ」の解釈の幅が広まり、「尊厳の喪失、羞恥、劣等感、給付申請の際の躊躇」などと 同一視されるようになった。  資力調査を伴わない普遍主義的サービスや、権利として認められた施策がスティグマを 付与しないとも限らない。同様に選別主義的サービスが常にスティグマを付与するとも言 い難いのである。スティグマの問題は複雑で、解決する方法は簡単に見つけ出せない。  日本は「恥の文化」と言われるように、スティグマを引き起こしやすい恥の意識が根付 いている。イギリス以上にスティグマ研究が必要であり、その克服には多くの困難が伴う であろう。 <<<<<<<<<<<<<<要約者担当者名・要約日>>>>>>>>>>>>>>>               大町麻実子・9月2日