<<<<<<<<<<<<<<<<書籍用カード情報>>>>>>>>>>>>>>>> 著者名:T.H.Marshall著/岡田藤太郎訳 書籍名:福祉国家・福祉社会の基礎理論−「福祉に対する権利」他論集− 出版社名:相川書房 年:1989 <<<<<<<<<<<<<<500字程度の要約>>>>>>>>>>>>>>>>> *引用は「」でくくり、その後にページ数を明記    貧困及びその救済に必ずついて回る「恥(shame)」の感覚は、どの程度人間の本質に 根ざしたものであるのか。「恥辱であるのは災難(affliction)それ自体ではなくて、 その存在に対する自覚の問題なのである(p127)。」 精神病や貧困は、何かひどく恥ずべきこととされ、タブーとなってしまった。我々は 過去からの遺産と今なお戦っているのである。社会問題に対するこのような態度の基盤は 一過性(ephemeral)の性質のものであり、それを崩すにあたっては、人間性の変革といった 大袈裟なものではなく、その一側面へのアピールが必要である。  「援助を求めるものとそれを提供するものとのあいだに立ちはだかる最大の障壁は なんといっても恥辱(shame)の壁である。(p129)」  恥辱の壁は、「訴えることを抑制したり、応対を力づけ同情心を害したりする。(同)」 産業化の初期に生まれたこの問題は、特異な社会的緊張によって引き起こされた一時的な情緒 不安の結果であり、基本的には不自然なものであった。であるから、現代の福祉政策が恥辱の壁を 破り、同情の橋によってそれを置き換えようとする時必要なのは、「人間の精神(humann psyche) に新しい本能を植え付けることではなく」、「人間社会の垣根を取り払う(enlarge the human group)こと(同)」である。そこで、「隣人生の回復と一般市民の原理に基づき、コミュニティ 全体を包含するまでのその拡大が必要となる。 <<<<<<<<<<<<<<要約者担当者名・要約日>>>>>>>>>>>>>>>                山田陽子・12月17日