T.はじめに

 

 私は、今年(1998年)度、通年で病院実習をした。

 実習における最大の課題は、大学・現場・学生の連携である。その問題は、社会福祉教育の目的や意義、大学のカリキュラム、大学教員の問題、大学そのもののあり方、卒後教育、現場の問題…とさまざまに展開される。そして、そこにはもちろん学生の問題もあげられる。実習生であった私も、何より当事者としてその問題にぶちあたることになった。そして、実習を進めるにつれ大学・現場・学生の連携に疑問を抱くようにもなった。

 今回は、実習をやってきた私を自分自身で分析することにした。実習において私が感じたこと、考えたことに向き合ってみたのである。

 知識も経験も浅い一学生ではあるが、実習により悩み、考えてきたことを一人の声として大学や現場の実習関係者の方々にやはり<わかってもらいたい>と思う。もちろん、そこには私の個人的な問題を多く含むこととなるが、それでも私だけの問題ではないはずである。そして、この論文が「今の学生がどのような状態であるのか」という一つの判断の材料となり、これからの実習に役立つことを願っている。