V.実習背景と分析方法
<実習背景>
私は社会福祉士の受験資格を取得することを希望したため、社会福祉士の受験資格に必要な「社会福祉援助技術現場実習」(以下福祉実習)と病院実習である「社会福祉学実習」を4年次に並行して履修しなければならなかった。このことは、本学の履修カリキュラムの関係上やむおえないことであったが、2つの実習を並行することについては、本学においては本年度より認められることになった。この改善は、福祉実習のために病院実習を希望する学生が減少し、「大学がMSWへの道を狭めてしまっているのではないか」と危惧された諸先生方のご努力によるものである。
病院の実習先については、病院実習を希望する学生と大学教員が集まり、学生の希望や病院の特徴、場所などについて話し合いがもたれた。私が希望した実習先については、大学教員が連絡をとってくださり、病院のスーパーバイザーの了解を得、私からも電話連絡し後日面接に伺った。そのときスーパーバイザーは、福祉実習を集中で行うためにそのときには病院実習を休まねばならないことを理解してくださった。最終的には大学教員が現場に伺い、実習依頼書や計画書を病院に提出した上で実習が行われることになった。
実習は、4月末より通年で週2日おこなった。スーパーバイザーからは、実習を始めるにあたり「始めの半年は自己覚知と社会資源の勉強。それからインテークの準備。秋になってインテークに入れるかどうかぐらいです。こちらから実習生には何も指示しません。実習はあなたが考えてやってください。質問に関しては、自分で調べた結果、わからなかったことであれば聞いて下さい」と言われた。実習では唯一、実習で自分が感じ、考えたことをレポートにして提出することが課題となり、そのレポートについてスーパーバイザーと話しをする機会をいただいた。そして、それ以外はすべて私に委ねられていた。
<分析方法>
今回分析に使用したのは、以下のレポートである。
レポートは、そのままコーパスとして用いた。
1)1次コードをつける
コーパスをセンテンスごとにナンバリングし、一つのログにした。
2)2次コードをつける
ラインマーカー用いて、ログの主要部位やキーワードを明らかにすることに留意した。
3)3次コードをつける
不必要なコードを削除、もしくはコード同士をまとめ、一般化されたカテゴリーをカードに書き移した。
4)4次コードをつける
KJ法を用いて3次コードのグループわけを行い、さらにコードをカテゴリー化した。
5)カテゴリーとログを集計する
カテゴリーとカテゴリーに含まれたログから、分割表(クロス集計)をつくった。