<<雑誌論文カード>> 著者名:加藤 彰彦(横浜市南部児童相談所) 論文名:「現場にとって「実習生」とは何か −実習生後継者論・序説−」 雑誌名:『ソーシャルワーク研究』 巻:Vol.15 号:No.1 ページ:23〜25    年:1989 1:実習生を受け入れる理由 <実習担当者の葛藤> ・ どのように対応すればいいのだろうか。 ・ 十分に研修する時間がない。 ・ 大学で学んでいるであろう理想的な福祉論と厳しい現実に落差が大きくためらう。 ・ 学生が現実をきちんと認識できずその矛盾に苦しむのではないだろうか。 現場に入りたいと希望している学生は、「後継者」であり、将来の同僚、仲間であると 認識することが必要。実習生の意見や希望を聞き対応できるよう努力することや、学 生の失望させないような職場にすることも、福祉労働を豊かにするために現場の人間 には取り組むべき課題である。 2:大学で何を学んでいるのか ・ 実習生は、概して大学の授業はつまらなく感じ、かえってやる気を失うこともある らしく、直接人と触れ合う実習の方が教えられることが多いと言う。 ・ 社会福祉は実践の学問であり、実際に関わっていなければ机上の空論になる。実習 は、体験から新たに意欲をもったり理論を深めるためにも必要。 @実習担当の先生は、受け入れのための依頼でしか現場に来ない。 実習現場にもっと関わりをもち現場とつながれば、大学の講義も変わり、実習の意 味も深まると思われる。 3:現場と研究の場の交流と連携 ・ 忙しい日常では、実践を研究する余裕もなく、現場の相互学習もなおざりになるこ とがある。現場の課題を解くきっかけもほしく、現場で専門性を高めるためにも交 流や連携を深めたい。大学・大学院での聴講の保障しするなどしてはどうか。