著者名:横田 恵子  立木 茂雄 論文名:「機関に対するライフモデル・ソーシャルワーク実践の一考察 −職場内インフォーマル集団の形成とエンパワーメントを通じてのフォーマル課題の変容−」 雑誌名:「社会福祉学」日本社会福祉学会 号:第38-1号 年:1997 ページ:81-98 ワーカーが所属する機関において、影響力を与え、組織の変革をもたらそうとするとき、組織 や課題の構造的特性と、組織における成員のフォーマル・インフォーマル性について充分に理 解する必要がある。本稿では、「課題・組織の構造的分析の枠組みを、フォーマル組織内イン フォーマル集団の課題や上部フォーマル組織との相互作用の分析に拡張して応用する。」 (p85)ことを試みている。 ワーカーは、フォーマル組織において生じたインフォーマルな関係を活用し、フォーマルな課 題を変えることができる。また、そのフォーマル課題の変容は、再びインフォーマルな集団に 影響を与え、また新たなインフォーマル課題を生みだし、結果としてフォーマル組織の間の連 携を深めることも可能となる。しかし、インフォーマルな関係を活用する上で、スタッフの「関 心」(95)は貴重は資源であり、介入は意図的であることも重要である。 また、変化をもたらすワーカーは、自らもシステム内の相互作用に巻き込まれつつ、同時にチ ェンジエージェントとして、集団や組織の状況を常に客観的に判断して仮説を設定し、それに 基づいて意図的に介入した上で、またその仮説を検証することが必要である。(7/5)