3章  デイサービスセンターにおけるインタビュー 1. 利用高齢者の満足感を知る方法  デイサービスセンターを利用している高齢者の満足感を明らかにする方法として、インタビュー調査や観察調査などがある。実際、高齢者やその家族にデイサービス利用の満足感について面接調査や留置調査を実施した例はいくつかある。ここでは、Hホームケアセンターという、老人デイサービスを行っているセンターでの、インタビューを用いるという方法を取ることにした。 2.インタビュー方法 ○インタビューの背景  今回の調査は、Hホームケアセンターという老人デイサービスセンターの利用者に対して、1人に対し1回ずつの、計15人に対する単独インタビューという形で行った。インタビューを行う際、センターのソーシャルワーカーの方に仲介していただき、勉強のために意見を聞かせてほしいということを断っており、許可を得た上でインタビューを行った。  なお、そのデイサービスセンターは、私立の特別養護老人ホームに併設されており、市からの委託でホームヘルプサービスも行っている、複合施設である。その他、訪問看護、配食サービスも行っている。  インタビューを実施したのは11/10から11/16の間の4日間で、利用者がくつろいでいる時間に、随時1人1人に行っていった。インタビューはセミ・オープン形式で行われた。 ○対象者:Hホームケアセンターを利用している高齢者15人(男性3人・女性12人) ○(上記の15人が)現在利用中のサービス(半年以内に利用したサービス) ・ デイサービスのみ…4人 ・ デイサービス+α…11人 (内訳    ・デイサービス+ショートステイ…2人  ・デイサービス+ショートステイ+他のデイサービスセンター…1人  ・デイサービス+ホームヘルプサービス+保健センターのPTのリハビリ…1人         ・デイサービス+ホームヘルプサービス+配食サービス…2人   ・デイサービス+ホームヘルプサービス+訪問看護サービス…1人   ・デイサービス+隣人の協力…1人   ・デイサービス+マッサージ…1人 ) ○ 今までのサービス利用経験 ・ デイサービスのみ…3人 ・ デイサービス+ショートステイ…2人 ・ デイサービス+ホームヘルプサービス…1人 ・ デイサービス+ホームヘルプサービス+配食サービス…1人 ・ デイサービル+α…8人(各1名) (内訳  ・デイサービス+ショートステイ+マッサージ師+病院のリハビリ+他のデイサービスセンター  ・デイサービス+ホームヘルプサービス+配食サービス+訪問看護サービス+病院のリハビリ  ・デイサービス+ホームヘルプサービス+訪問看護サービス  ・デイサービス+病院のリハビリ+社協ヘルパー+隣人の協力  ・デイサービス+ショートステイ+老人保健施設のショートステイ  ・デイサービス+ホームヘルプサービス+保健センターのPTのリハビリ  ・デイサービス+ホームヘルプサービス+知人によるリハビリ  ・デイサービス+ショートステイ+他のデイサービスセンター ) ○ デイサービス利用期間 ・ 5年以内…8人(1年以内:2人/2〜3年間:2人/4〜5年間:4人) ・ 6年以上8年以下…7人(6〜7年間:5人/8年間:2人) ○質問項目  1.現在どんなサービスを利用していますか、またどれくらいの期間利用していますか。  2.なぜそのサービスを利用するようになったのですか。  3.サービスを利用してみて、どういう所が良かったですか。  4.サービスを利用してみて、足りないと思うところ、また、改善してほしいと思うとこ          ろはありますか。  5.ここのセンター以外に他にサービスを利用したことがありますか。そこと比べて、ど     うですか。  6.何か他に、話したい内容があれば話して下さい。 ○分析方法  インタビューの内容は、メモに逐語録した。  記録はできる限りメモに逐語録し、後にそのメモの不完全なところを補い、コーパスとして用いた。各利用者のコーパスはセンテンスごとにナンバリングされた。  次にデータをコード化した。まず1次コードとして、コーパスの主要なセンテンスをキーワード、もしくは簡潔な文章でコード化した。この時にラインマーカーを使用し、主要部位を明確にすることに留意した。2次コードの段階では1次コードで不必要なコードを削除、もしくはコード同士をまとめていく作業を行った。3次コードは更にまとめられ、一般化されてカードに書き込まれた。そこで4次コードとして3次コードのカードのグループ分けを行い、カテゴリー化し、キーワードを抽出し、最終的に、有効性と問題点を明らかにした。 1 1