はじめに    我が国の高齢化率は14.5%を超え、2025年には4人に1人が高齢者という時代がやってくると言われている。それに伴い、介護を必要とする高齢者や障害者が増加し、今や介護は社会的な問題として歴史の表舞台に現れてきたわけである。  豊かな老後を保障するために、介護保険が創設され、導入に向けての準備が進められている。もっともこの介護保険については、保険あって介護なしという状況が現出する危険をはらみ、もろてをあげて賛成というわけにはいかないが、この介護保険の導入が予定される見通しの中で、介護の果たす役割は大きいことは言うまでもない。  高齢者の多くは、「住み慣れた地域で、親しい人に囲まれて一生を送りたい」という願いをもっている。この願いをかなえるためには、在宅介護の充実が必要不可欠である。  だが実際のところ、在宅で介護を受けている本人・または家族は、どのように感じ、またどのようなことを望んでいるのだろう。真に望まれるサービスとはどのようなものなのだろうか。この論文では、実際に在宅介護を受けている利用者の声も交え、デイサービスの有効性という点から、在宅介護について述べる。 1 1