神戸市震災復興生活再建施策検証草の根ワークショップ・神戸市自治会連絡協議会役員とのワークショップ速記メモ


 

日時:1999年10月26日

場所:神戸元町 こうべまちづくり会館3階 会議室

主催:神戸市震災復興本部総括局総合計画課・神戸市役所市民局市民活動支援課

 

市民活動支援課長

役員会の後の時間ワークショップ写真1を使わせていただき、懇談会というか、意見を出しやすいように運営したい。ワークショップとしてやりたい。震災5年、復興の課程を振り返り、問題点・課題をまとめようとしている。それを総括検証としており、市民の声をできるだけ聞くなかで、残していこうと考えている。5年間で、地域、コミュニティーの大切さが改めて浮かび上がっており、集まっていただいたリーダーに、地域のつながり、コミュニティーの大切さをお話しいただければ。行ったアンケートも参考にして進めたい。

 

立木

 見た感じ、何が始まるのか、何をさせるのかとお思いかもしれませんが、震災の復興で何が大事で何が足りないのかたくさんの意見を出していただきたいので。なるだけみんなで意見を出し合ってまとめていこうと考えています。

 雰囲気が固いので、ほぐしてみたいと思います。アイスブレークといいます。テーマは、初めてのデート。あんまり口を利いたことがない人と座って話をしていただこう。話の材料作りの準備をしたい。A4の紙を半分に折って、また半分に折って下さい。4つの枠ができるので、1)今の気分は、2)役員になったのはなぜ、3)今まで役員をしていて一番印象に残ること、4)私はどんなつもりで今日のWSに関わるか。これをあらかじめ紙に書いておき、アイスブレークをしたいと思う。1,2行でいいです。初めてのデートのための材料ですから。4つめなどは、よく分からないでもいいです。WSとはこんなものという体験のつもりです。どうですか、もういいですか? 別にこれはどうですかと聞きませんから、自分の防備録のつもりでけっこうです。

では、立っていただいて、なるだけ口をきいたことがない人と組になっていただき、今のお話をしていただければ。女性は少ないですが、必ず男性とお願いします。(席の移動は少なかったが、わいわいと話が進む)。あと2分です。では、お相手を変えます。(今度は若干移動がある)。では最後の移動です。よろしくお願いします。(今度は全部大きく移動する。2,3人が同じ場所に座ったままでいる。この人たちを見極めるのもミソ(^_^;))。

ワークショップ写真2 

 どうもありがとうございました。もう一度立っていただきますか? 次は「お誕生日はいつ」。言わないで下さいね。ここが1月1日として、相談せずにこのあたりだというイスに移動して下さい。まだいつか言わないで下さいね。では誕生日を言って下さい。では、誕生日が近いのも縁なので、ここで分けましょう。では、最初の紙の1)を元に、グループで自己紹介。最初の気分が○○になった××です。「不安な気分が軽くなった武田です」と自己紹介して下さい。(ちょっと楽しい気分になった。緊張がほぐれた。少し楽になった。懐かしい気分になった。)

 

 最初アイスブレークといったが、氷が溶けると、どうなります? 「水が流れる」「水になる」。もう一ひねり、「春になる」。はいそうです。気分を開いていただいてWSになりたい。感性を開くために、私は関西(かんせい)学院なので。(大丈夫かな)。もう大丈夫です。春になっていますから(^_^;)。

 

 WISHポエムをやりたいと思います。いまから詩心を広げていただき、春が来たイメージで詩を作っていただきたい。急に言われてもといわないで、出だしは「我が町の復興、○○だといいなあ」。WISH=望みですね。この詩をできれば、5つ以上書いて下さい。今お書きの部分でけっこうです。そこで次に進みたいと思います。では、今書かれた中で、この3つがいいと思うものを、選んで下さい。では、次に1,2,3と優先順位を付けて下さい。

 今度はA4の紙を縦に3つに折って下さい。一つ分の幅を切って下さい。短冊ができると思います。そうしたら、1番がついた詩を、ペンで「我が町の復興、○○だったらいいなあ」と文章全部を書いて下さい。そうしたら、せっかく書いた詩なので、輪読していただき、前に置いていって下さい。

 

 これは短冊だけど、これを順番を工夫にして、連歌というか、どういう組み合わせにしたらいいか考えて下さい。

 (できたので、拍手)。では一人一人朗読して下さい。

 

ワークショップ作業風景 WISH、のぞみが広がって感性が広がりましたね。もう一枚短冊を切って下さい。今度も縦書きで、次の句を「でも現実は○○だ」。自分の短冊の下に続けて下さい。できたらテープでとめて下さい。今度はちょっと静かになりましたね。でも、もう一つ短冊がありますから。最後は「そこでこの私ができることは○○だ。」。自分のにではなくても現実はどれでもありにします。(何ができるか難しい)

 

 

Wishポエム講評

 これがワークショップというものです。ここにエッセンスが出てきたと思う。アンケート結果の問12番。つながりが強まったと答えた方が4割いる。どこからきたのかというと、問13ででている、つながり、笑顔があらためて大切と答えている。みなさんがおっしゃったことと同じ結果が出ている。

 問17で困っていることで、ゴミ、ペットなど自分勝手で困っているだけでなく、役員のなり手より若い人の関心が低いということにびっくりした。そこを困っていると言うことは、若い人に関わってもらいたいと思うから。つまり自治会、地域に若い人に関わって欲しい。そこと表裏一体になっている。たくさんの人がそう感じているのはいいこと。問題だと思えば解決策が見えてくる。何かできることが意識できるようになる。そういうことで、自分本位も減るだろう。

 問16で、自分たちでなんとかしようという意識が高まったという人が4割いる。まわりから連合自治会から自治会作りをサポートしたりということになっている。つながりと同じように、自分がする、自分がこの町を作っていく意識が高くなっているのが大事なこと。そこで私ができることは「自立」ということだが、たくさんの人が具体的にされていることに感動した。こっちから返事をしない若い人に話しかける、いろんな仕掛けをつくっていくことを考えていることが、この調査結果にでてきたのでは。

 氷が溶けて、春が来て、詩心もできて、問題の共有もできた。

 
ワークショップの成果

笑顔のあるまち
 わがまちの復興、人が多くなるといいなあ。でも現実はさみしいね。そこでこの私ができることは、笑顔で地域の人に話しかけること。
 わがまちの復興、人に優しいといいなあ。でも現実は、弱者に厳しいまちです。そこでこの私ができることは、みんなと声を合わせて訴えていこう。
 わがまちの復興、年輩の方に優しいものだといいなあ。でも現実はすべての人に暮らしやすいまちにほど遠い。そこでこの私ができることは、自分が感じたいやなことに目をつぶらずに、どんどん意見を表明していきたい。
 わがまちの復興、みんなで元気でやろう。でも現実はみんな元気でやっている。そこでこの私のできることは美しいまちであって欲しい。
 わがまちの復興、きれいなまちであればいいなあ。でも現実は汚いまちです。そこでおKの私ができることは、みんなでまちの美化運動であり、景気がよくなることです。
 わがまちの復興、○だといいなあ。でも現実は自己本位が強い。そこで私ができることは明るく皆につくすこと。 わがまちの復興、完了だといいなあ。でも現実はわが町の復興に努力しよう。そこで私のできることは常に協力のみ。

 

「笑顔のあるまち」班のふりかえり

 笑顔のあるまちというタイトル。わが町の復興の意見が出たが、人が多くなっていくこと、優しい人ができてくる。きれいなまちに、早く一丸となったまちにという願い。そのために笑顔というタイトルができた。現実は、いろいろあるが、人が少ない、弱者にもきつく、自己本位で、貧しい人、ホームレスもいる。暮らしやすいまちからほど遠い。これまでも元気、これからも元気という人もいた。どのようにやっていくか。自分で皆さんの中に入っていって、説得し、聞き入れて納得してもらおう。貧しい人の問題には、どんどん意見を言っていこうとか。美しいまち、向こう3軒両隣というところから始まる。そこをきれいにしていくところからはじめる。まいにちゴミを拾って回っている人もいる。そういうことが積み重なって美しいまちになる。そういうことを一つ一つやっていくことが明るいまちになる。笑顔のあるまちは、そういうところから。

 人に優しいとか、高齢者とかにどう取り組んでいるか。まちのバリアフリーのマップを作っている。できないところは、行政に訴えていくことにも取り組んでいる。神戸はたくさんの留学生を迎えており、近くに留学生会館に25人の学生が入ってきた。もっと神戸を知ってもらう。まちがきれいだとはなかなか言わないが、せめてそこでできることはやろうとクリーン作戦をやっている。

 

ふれあいのあるあたたかい心の通うまちづくり
 わがまちの復興、ふれあいから。でも現実はなかなかふれあえない。そこでこの私ができることは、住民の一人一人に話しかけること。
 わがまちの復興、コミュニケーションがよければいいなあ。でも、現実は勝手な人が住んでいるから困る。そこでこの私ができることは、根気よく近隣の人のお世話を続けること。
 わがまちの復興、協力し合う気持ちになればいいなあ。でも現実はなかなか難しいことである。そこでこの私ができることは、気長に協力を求めていくこと。
 わがまちの復興、力を合わせてできるといいなあ。でも現実はなかなか意見がまとまらない。そこでこの私ができることは、たくさんの人と会って、たくさん話をしてお互いの気持ちが分かり合えるように。
 わがまちの復興、昔なじみの方が帰られたらいいなあ。でも現実は帰りたくても帰れず、離れた町のマンション住まい。そこでこの私ができることは、一人暮らしの方を訪問して話し相手になること。
 わがまちの復興、1日も早い全世帯の完全な復興ができたらいいな。でも現実は今一歩。そこでこのたわしにできることは努力。 わがまちの復興、もっと人口が増えればいいなあ。でも現実はなかなか人は戻らない。そこでこの私ができることは、地域の人が心を合わせまちづくりができるよう努力すること。

 

「ふれあいのあるあたたかい心の通うまちづくり」班ふりかえり

 ふれあいのあるあたたかい心のまちづくり。これが原点では。支援住宅に入った年寄りと話をしても、付きに1度の給食サービスのときにしか顔をあわさないという。そのためには、まちが一つになって、町の人たちがみんなでその問題を解決していくこと。御影では13地域が一つになってスリランカのまちとかフランスの人が来たとか。名神でも名神はひとつとして、企業も一緒になって7つの会社が一緒になってやっている。全国に先駆けたそしきと看板になっているほど。みんなでまちをこさえようと言うことが大事というのが結論。みんな話し合いとかいうが、指導者として前に出るのではなく、みんながこういう気持ちになれるよう話しかけるとか、裏に回って。地域の皆さんに話し合いの場を広げていく。根気よく。小さい固まりが大きくなり、そうなれば地域全体につながる。なんでもいいからちいきではなしをしようと努力している。県営や市営ができている。県営は、県が来て自治会作りまで指導しているが、そこは地域に組織ができている。市営住宅は、welcome事業では来てくれるが、あとは放りっぱなし。組織化ができない。役所も認めていた。行政も、新しく市営住宅に入った人にもう少し手をさしのべて欲しい。ものをもらうばかりで、ここにきたら家賃を払わねばならないしという人もいる。募金に行っても「出さなくてもいいなら出さない」という。地域の人のつながりがあることを自覚してもらう。自治会を作れば話し合いができる。(−自治会で手伝えないか)。根気よく話を続けていく。ばからしいところもあるが、職務だと思っている。


(藤沢)

 東灘で大きなイベントを考えている・5月29日に31のだんじりを一堂に集めて、区役所の落成、5周年、庁舎の移転が重なっており、大々的な計画が進んでいる。なかなか31区のだんじりを集めるのは難しいが、90%まで話が進んだからできるとおもう。それを動かすこと、大きなコミュニケーションの原動力。子どものころから綱を引く行事に参加して、新しい人にも参加してもらうこと。

 

市民活動推進課長

 最後に感想を

 

藤沢

 市の計画で、難しい規約改正の討論をしたが、非常に和やかな、私にしてみれば初めての機会を与えていただいたことを感謝したい。参加していただいた方遅くなりましたが、感謝します。先生にも感謝します。これからもよろしくお願いします。

 

 


このページは、時事通信社・神戸総局中川和之氏のご好意・ご協力を得て作成いたしました。ここに記して、深く感謝申し上げます。

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