市民活動 (Civic Engagement)

 市民活動の最近の動きを捉えるキーワードは「公共の再構築」。2006年は公益法人制度改革関連3法が成立し、行政とは異なった立場から公共・公益的な活動を担う市民活動の正当性を制度化する重要な節目の年となった。09年までに導入される裁判員制度も、司法制度に市民が参画・協働することで、より高い公共性が担保されるという考えに基づく。各地の自治体でも、条例によって市民参画を推進するしくみづくりが広まるとともに、公共・公益的事務を行政・市民社会・民間企業に「事業仕分け」する作業が注目を集めている。このような中で069月には指定管理者制度が完全実施され、地域の共用物の3割近くが自治会・町内会やNPO団体、あるいは民間企業に管理運営が委託された。これまで肥大化してきた官(公)の領域を縮小し、民間(私)や共同体(共)の力を高め、安全、安心や幸福を「公・共・私」の協働に求める動きは、今後ますます強まっていくに違いない。

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